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続・高橋セミナー


第12回 層別因子を含む探索的な回帰分析入門 <第13章> ロジスティック曲線のさらなる活用

2024年3月28日

要約

前章のミカエリス・メンテン式は,酵素反応速度論の代表的な式であり,基質濃度 の対数を取ると2パラメータ・ロジスティック曲線となることを示した.多くの生物を用いた実験における化学物質の濃度あるいは用量の設定は,等比で与えることが一般的であり,対数変換した濃度に対する反応についての解析が主体となっている.これまでも示してきたように,Excelのソルバーによりロジスティック曲線のパラメータの推定が,容易にできることを示してきた.ただし,対数変換した濃度(用量)を用いる場合に,厄介な問題が発生する.濃度がゼロの対照群に対しては,対数変換ができないので,低めの濃度を便宜的に与え,最大反応となるような陽性対照群がある場合に,高めの濃度を便宜的に与えることで良いのだろうか.反応がロジスティック曲線となる場合であっても,最大反応の20%から80%程度の範囲の濃度を設定することにより,直線のあてはめによる解析が便宜的に行なわれてきた.実際に,平行な直線をあてはめた事例ではあるが,シグモイド曲線らしき痕跡が残る場合に,平行とみなすことに無理が生ずる.このような場合に,曲線の傾きは同じだが,曲線の位置が異なる「平行なロジスティック曲線」のあてはめにチャレンジする.

第13章    目 次
13.    ロジスティック曲線のさらなる活用                                     455
13.1.  陰性対照と陽性対照を含むロジスティック曲線のあてはめ                 455
           内臓痛試験データ 
           非線形モデルを用いたパラメータの同時推定
           ダミー変数を用いた解析モデル
           JMPの「非線形回帰」
           Excelのソルバーを用いたパラメータの推定
           SASのNLINプロシジャによる解析
           NLINプロシジャによるパラメータに関する偏微分 
           残差線形化法によるロジスティック曲線のあてはめ 
13.2.  平行でない直線のあてはめによる効力比の推定                            469
           血圧の上昇作用の抑制
           用量別の比較
           同一の反応となる用量の比較
           効力比ρの95%信頼区間
13.3.  平行な直線のあてはめによる効力比の推定                                475
           切片が異なる平行な直線のあてはめ
           SASのNLINプロシジャによる効力比の直接推定
           平行でない回帰直線 vs. 平行な回帰直線
13.4.  平行なロジスティック曲線による効力比の推定                            481
           直線のあてはめは便宜的
           ロジスティック曲線による効力比の直接推定
           NLINプロシジャによるパラメータの標準誤差と95%信頼区間
           Excelによる効力比の95%信頼区間の推定
           線形モデルと非線形モデルの解法の対比
       文献索引, 索引, 解析ファイル一覧                                  (489)

添付ファイル
高橋セミナー12_13_応用シグモイド_2024_03_28.zip

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