続・高橋セミナー
第12回 層別因子を含む探索的な回帰分析入門 <第11章> 各種のシグモイド曲線を用いた逆推定
2024年3月19日
要約
人間を含む生物に対する化合物の作用の多くは,シグモイド曲線状の反応になることが知られており,シグモイド曲線となる関数として累積分布関数が使われてきた.化合物の急性毒性データの50パーセント致死量( )を推定するためのプロビット法は,正規分布の累積分布関数が用いられている.正規分布の累積分布関数に代え,ロジスティック分布の累積分布関数も広く使われている.累積分布関数は,0.0から1.0の範囲で単調増加する関数であるが,前章で例示したように,最小反応から最大反応の範囲となるようなシグモイド曲線に拡張することも容易である.反応が2値の場合には,ロジスティック回帰分析として多くの説明変数含む標準的な解析法として活用されている.しかしながら,反応が連続量の場合には,一般的な解析法として普及していない.本章では,シグモイド曲線のあてはめの基本に戻り,典型的な事例について例示する.
第11章 目 次 11. 各種のシグモイド曲線を用いた逆推定 367 11.1. 累積分布関数のシグモイド曲線としての活用 367 正規分布 ロジスティック分布 パラメータの線形化 累積ロジスティック分布関数の量的な反応への拡張 酵素反応速度論のヒルの式 ゴンペルツ・最大極値分布 ワイブル・最小極値分布 11.2. ロジスティック・ゴンペルツ・ワイブル曲線のあてはめ 379 3種のシグモイド曲線のあてはめ 10パーセント反応の用量 D10 の逆推定 50パーセント反応の用量 D50 の逆推定 正規分布 vs. ロジスティック分布 11.3. ゴンペルツ・最大極値曲線に対する各種の95%信頼区間 385 残差線形化法によるパラメータ推定 ゴンペルツ・最大極値曲線の95%信頼区間 10パーセント反応の逆推定値の95%信頼区間 Excelおよび統計ソフトの脆弱性 11.4. JMPによるゴンペルツ・最大極値曲線の推定および逆推定 392 JMPの「曲線のあてはめ」 「非線形回帰」によるゴンペルツ・最大極値曲線のあてはめと逆推定 シグモイド曲線の95%信頼区間 11.5. オフセットを活用したシグモイド曲線の逆推定 397 オフセットを活用した逆推定 SASの非線形NLINプロシジャによる解析 ラットの子宮重量のSASデータセット化 オフセット無しの解析・オフセットを用いた逆推定 ゴンペルツ・最大極値曲線の95%信頼区間 SASの結果は正しいのか? 文献索引, 索引, 解析ファイル一覧 (405)
添付ファイル
高橋セミナー12_11_各種シグモイド_2024_03_19.zip