続・高橋セミナー
第12回 層別因子を含む探索的な回帰分析入門 <第10章> 層別因子を含むロジスティック曲線のあてはめ
2024年2月16日
要約
ロジスティック曲線のあてはめは,反応が2値の場合の用量反応関係に対して定式化され,複数の説明変数に対応したロジスティック回帰分析が,2値反応に対する標準的な解析方法として広く使われている.本章では,2値反応ではなく,反応が量的変数の場合のロジスティック曲線のあてはめを扱う.ロジスティック分布の(0から1)の範囲を(最小値から最大値)に拡張する.層別因子を含む回帰分析を行なった際に,交互作用があり平行な直線のあてはめがためらわれるような場合が少なからずある.このような場合に,ロジスティック曲線をあてはめることにより,より現実の問題に即した対応が可能となる場合がある.ロジスティック曲線のあてはめは,1つの変数に対し1つのパラメータが付随するような線形モデルに該当しないので,デザイン行列Xを用いたパラメータの推定が行えない.デザイン行列Xの代わりに,ロジスティック曲線式をパラメータで偏微分して得られる微係数行列Zをデザイン行列Xと同様に扱う解析方法を示す.
第10章 目 次 10. 層別因子を含むロジスティック曲線のあてはめ 327 10.1. カドミウムガス曝露後の肺活量の減少 327 デザイン行列を用いた3本の回帰直線の同時あてはめ 3本の回帰直線の傾きの差に対するt検定 残差平方和の差から交互作用の平方和の算出 回帰直線の傾きの差を用いた検討回帰直線の差の95%信頼区間 スプライン曲線による直線のあてはめの妥当性チェック 10.2. 複数のロジスティック曲線の同時あてはめ 335 ロジスティック曲線のあてはめの基礎 ソルバーによる残差平方和の最小化 パラメータの初期値の探索的な推定 パラメータの初期値の設定の正攻法 Excelのソルバーの活用法 10.3. ロジスティック曲線の95%信頼区間 342 ロジスティック曲線式のパラメータに関する偏微分 パラメータに関する95%信頼区間 ロジスティック曲線の95%信頼区間 ロジスティック曲線の差の95%信頼区間 10.4. JMPによる3本のロジスティック曲線の同時あてはめ 349 JMPによるロジスティック曲線のあてはめ JMPによる非線形回帰 ロジスティック曲線の95%信頼区間 JMPによるロジスティック曲線式のパラメータに関する偏微分 10.5. SASの非線形NLINプロシジャによる解析 358 SAS/NLINプロシジャによる解析 NLINプロシジャの出力結果をExcelの折れ線グラフで 10.6. 残差線形化法によるロジスティック曲線のパラメータ推定 363 残差を反応とした回帰分析の反復 Wikipediaのガウス・ニュートン法 文献索引, 索引, 解析ファイル一覧 (367)
添付ファイル
高橋セミナー12_10_カドミウム_シグモイド_2024_02_16.zip