続・高橋セミナー
第12回 層別因子を含む探索的な回帰分析入門 <第4章> 欠測値がある直交表の線形モデルによる解析
2024年1月19日
要約
「線形推定論」は,実験データの解析法としての分散分析に対する理論的な枠組みを与えてきた.ただし,朝香・石川・山口 監修(1988),「新版 品質管理便覧 第2版」には,「線形推定論」を見いだすことができない.幸いなことに,楠・辻谷・松本・和田(1995),「応用 実験計画法」の「第6章 線形モデル」の 第2節に「線形推定論」が含まれている.伝統的な線形推定論では,各種の実験デザインで取り上げる因子をダミー変数するプロセスがきちっと導入され,デザイン行列,正規方程式,逆行列などをベースにした線形モデル入門となっている.各種の実験モデルの解析は,線形モデルを拡張することによりすべて対応できることを高橋・大橋・芳賀(1989),「SASによる実験データの解析」で示してきた.あらためて,ダミー変数の数理およびそれらを活用したデザイン行列を活用した解析をExcelの行列計算を用いて実用的に活用できるようにすると共に,最先端の統計ソフトJMPを用いて検証し,先駆的なSASのGLMプロシジャで導入された各種の平方和についても紹介する.
第4章 目 次 4. 欠測値がある直交表の線形モデルによる解析 121 4.1. 繰り返しのない2因子実験データ 121 構造モデル・回帰モデル・線形モデル 線形モデルに対する正規方程式, デザイン行列Xを用いた線形モデル 正規方程式の解 パラメータの共分散行列の活用 線形和の推定と95%信頼区間 組合せ水準の95%信頼区間 因子の水準間の差の推定および95%信頼区間 現行水準と最適水準の差および95%信頼区間 4.2. 直交表における線形モデル 135 直交表を用いた実験データの解析 直交表における構造(DE)モデルと線形モデル 4.3. 欠測値がある直交表における線形モデルの活用 138 直交表による実験で欠測値が生じた場合 Excelの回帰分析を用いたパラメータの推定 欠測値がある場合の各種の推定 4.4. JMPの「モデルのあてはめ」による解析 144 (1,-1)対比型ダミー変数 予測プロファイルを用いた推定 カスタム検定よる最適水準と現行水準の差の推定 最小2乗平均 各種のダミー変数の歴史的背景 JMPの使い勝手 4.5. SAS/GLMによる欠測値がある直交表の解析 150 GLMプロシジャによる解析プログラム GLMプロシジャの出力 Estimateステートメントによる最小2乗平均 (1,0)型および(0,1)型ダミー変数の扱いにくさ 文献索引,索引,解析ファイル一覧 (155)
添付ファイル
高橋セミナー12_04_欠測値_直交表_2024_01_22.zip