続・高橋セミナー
第12回 層別因子を含む探索的な回帰分析入門 <第2章> デザイン行列を活用した1因子実験データの解析
2024年1月19日
要約
平方和の分解,および,分散の加法性に基づく各種の実験データの解析法は,実験計画法を発展させてきた.伝統的な実験計画法は,多くの要因を含む多彩な実験データに対して手計算でも対処できるように,長年の創意工夫の集大成とも言うべき優れた方法である.ただし,量的変数に対しては,幾つかの水準を設定し質的変数として扱うことを前提にしなければならない問題を内在している.先進的な統計ソフトでは,質的変数を量的変数(ダミー変数)に置き換え,量的変数に対する線形モデルによる解析が行われている.だが,その効果的な使い方について十分に知られていない.第1章では,伝統的な平方和の分解では対応できない各種の事例について身近にあるExcelの回帰分析に加え,デザイン行列 を用いたExcelの行列計算を用いることにより,きめ細かな解析ができることを示した.本章では,1因子実験データについて,平方和の分解による解析法と対比しつつ,ダミー変数を用いた線形モデルによる解析方法を詳しく解説する.
第2章 目 次
2. デザイン行列を活用した1因子実験データの解析 55
2.1. 繰り返しが等しい1因子実験データ 55
各種の平方和の分解による分散分析表
ダミー変数を用いた線形モデル
デザイン行列Xを用いた計算の実際
データの構造式における効果の推定
水準平均の95%信頼区間
水準間の差と95%信頼区間
水準平均に対する伝統的な分散の推定
水準平均の差とその分散
水準効果の分散の推定
分散の加法性が成り立たない効果の差
セル平均モデル
2.2. 繰り返しが不揃いな1因子実験データ 69
平方和の分解
デザイン行列Xを用いた回帰分析
データの構造式における効果
水準平均に対する95%信頼区間
水準平均の差に対する95%信頼区間
分散の加法性での対応と限界
2.3. (0,1)型ダミー変数による1因子実験 77
(0,1)型ダミー変数のデザイン行列Xを用いた場合
(0,1)型ダミー変数場合の95%信頼区間
2.4. 1因子実験の量的変数に対する多項式回帰 80
デザイン行列Xを用いた多項式回帰
3次式のあてはめ
2次式のあてはめ
デザイン行列Xを用いた単回帰分析
あてはまりの悪さLOF解析
LOF解析に代わる逐次平方和(タイプIの平方和)
文献索引,索引,解析ファイル一覧 (89)
添付ファイル
高橋セミナー12_02_デザイン行列_1因子_2024_01_19.zip