続・高橋セミナー
続・高橋セミナー 第10回 線形モデルによる欠測値がある直交表の解析 -謎めいた最小2乗平均と95%信頼区間の活用-
2022年04月
要約
各種の実験デザインに対する平方和の分解をベースとする解析法に対し,その理論的な側面については,線形推定・検定論によって説明されてきた.線形推定・検定論は,各種の実験デザインに対しデサイン行列を設定し,正規方程式を立て,逆行列を使った解析方法を基礎としている.ただし,手計算時代において行列計算を前提にした解析法は,現実の問題に適用することは不可能であり,理論の学習には役立つが実用性に欠けていた.ただし,計画した実験データに欠測値が出て伝統的な平方和の分解による解析ができない場合に,線形推定・検定論に基づく解析法があるよとの“守り神”的な存在であった.Excelの行列計算による「層別因子を含む探索的な回帰分析」の基盤ともいえる伝統的な線形推定・検定論を回顧しつつExcelの行列計算を用いてリニューアルを計る.
目 次 1. はじめに 1 2. 線形モデルを用いた直交表の解析 4 直交表を用いた実験データの解析 直交表における構造(DE)モデルと線形モデル 直交表のデザイン行列との関連 直交表による実験で欠測値が生じた場合 3.欠測値がある直交表に対するJMPによる解析 8 予測プロファイルを用いた推定 最小2乗平均 4. デザイン行列Xの活用 14 各種のダミー変数の歴史的背景 デザイン行列を用いたパラメータの推定 現行水準と最適水準の組合せ平均 最小2乗平均と算術平均の比較 JMPの使い勝手 5. SAS/GLMによる欠測値がある直交表の解析 23 SASのスクリプト GLMプロシジャの出力 Estimate ステートメントによる最小2乗平均 6. Excelの回帰分析を用いた線形モデル 27 正規方程式のExcelシート上での表現 欠測値がある場合の分散分析表 各種のダミー変数をそのまま用いた線形モデル 7. 各種の推定値に対する95%信頼区間の算出 36 従来の分散分析の場合 パラメータの共分散行列 データの相関行列および共分散行列 パラメータの相関行列から共分散行列の算出 パラメータの推定値の標準誤差SE 線形和で求めた推定値の95%信頼区間 SASのGLMプロシジャでの(1,0)型ダミー変数 8. 伝統的な実験計画法からの脱却 48 9. 構造モデル・回帰モデル・線形モデル 52 繰り返しなしの2元配置における構造モデル 線形モデル 正規方程式 ザイン行列を用いた正規方程式 デザイン行列を用いた正規方程式の解 パラメータの共分散行列の活用 組合せ平均の95%信頼区間 因子の水準間の差の推定および95%信頼区間 現行水準と最適水準の差および95%信頼区間 10. 伝統的な平方和の分解による解析 68 構造モデルから平方和の分解へ 水準平均の分散 組合せ平均の推定値 現行水準と最適水準の差 田口の式(ルール) 伊奈の式(ルール) 11. 平方和の分解から線形モデルへ 76 絶滅の危機にある平方和の分解 Excelによる平方和の分解 有効反復数の功罪 線形モデルの有用性 Excelの逆行列関数が救いの神 アリ地獄的な状況から抜け出すために 文 献 79 文 献 索 引 80 索 引 80 解析用ファイル 83
添付ファイル
高橋セミナー10_線形推定_検定_2022_04_19 takahashi10(2022-04-19).zip