続・高橋セミナー
続・高橋セミナー 第9回 最尤法によるポアソン回帰分析入門 <<全章>>
2021年01月
要約
カウント・データに対するポアソン回帰は,一般化線形モデルが扱える統計ソフトの普及により手軽に使えるようになってきた.ところが,実際のデータを用いて解析をしようとすると,通常の回帰分析にはない設定が求められる.分布の種類にポアソン分布を選ぶことは容易なのだが,リンク関数として(恒等・対数・ロジット・プロビット・補2重対数・・・)のどれか選択が迫られ,さらに,過分散の有無,オフセット変数の選択も迫られる.一般化線形モデルについての成書もあるが,ポアソン回帰を実施する際の注意点,解析結果の解釈については断片的な記載となっている.そこで,関連する成書などからカウント・データの事例を収集し,ポアソン回帰の基礎と応用について網羅した.稀な現象ではないカウント・データは,過分散となりがちなので,負の2項分布を拡張したガンマ・ポアソン回帰について,また,ゼロ・カウントが多発する場合の解析法についても言及した.ポアソン回帰の基礎については,Excelの行列関数による最尤法を主体にし,統計ソフトJMP,SAS,およびRによる検討結果を加えた.
最尤法によるポアソン回帰分析入門 目 次 はじめに 1 1. ポアソン分布に従う各種のカウント・データ 7 2. ニュートン・ラフソン法によるポアソン回帰 63 3 尤度比検定のためのデザイン行列 95 4. デザイン行列を用いた回帰分析入門 135 5. 反復重み付き最尤法によるポアソン回帰 175 6. 過分散・ゼロ過剰への対応 207 7. 過分散がある場合の探索的ポアソン回帰 237 8. 2本の回帰直線の比較 269 9. 花数を共変量とした種子数の探索的ポアソン回帰 293 10. オフセットを含む探索的ポアソン回帰 323 11. デビアンス・逸脱度・テコ比・4種の残差 359 12. パラメータの共分散行列の活用 383 13. 最小2乗平均の謎を予測プロファイルで解く 421 文献・索引 目次 461
添付ファイル
高橋セミナー9_最尤法によるポアソン回帰分析入門_全章_2021_01_11(PDF)
高橋セミナー9_最尤法によるポアソン回帰分析入門_全章_文献・索引_2021_01_11(PDF)
高橋セミナー9_最尤法によるポアソン回帰分析入門_全章_2021_01_11 takahashi09all.zip(ZIP)
詳細目次
はじめに 1 1. ポアソン分布に従う各種のカウント・データ 7 1.1. ポアソン分布の特徴 7 1.2. 2項分布からポアソン分布の導出 10 1.3. 有害雑草の種子の数の分布(1群) 13 1.4. 人工データ(恒等リンク,3水準,回帰) 16 1.5. 冠動脈心疾患の死亡者数(対数リンク,8水準,オフセット,回帰)23 1.6. 満月と新月の日の犯罪件数に対する尤度比検定(2群) 27 1.7. 細菌を用いた試験データ(2×2要因配置) 32 1.8. 細菌を用いた用量反応試験(恒等リンク,2群,7水準,効力比) 36 1.9. 植物の体サイズに関連した種子数(対数リンク,2群,回帰) 40 1.10. 退役軍人における癌の発生(対数リンク,2群,11水準,オフセット) 46 1.11. 喫煙による冠動脈心疾患による死亡(対数リンク,2群,5水準,オフセット)49 1.12. 医院への通院回数(過分散) 54 1.13. 雌のカブトガニに連結する雄の数(2因子,2変量,対数リンク,過分散) 56 2. ニュートン・ラフソン法によるポアソン回帰 63 2.1. 手作業による逐次的な対数尤度の最大化 63 2.2. Excelのソルバーによる対数尤度の最大化 68 2.3. ニュートン・ラフソン法による対数尤度の最大化 70 2.4. ポアソン回帰のバリエーション 78 2.5. 対数リンクの場合のポアソン回帰 84 2.6. 対数リンクでオフセットがある場合のポアソン回帰 88 3. 尤度比検定のためのデザイン行列 95 3.1. 2×2の分割表に対する尤度比検定の基礎 95 3.2. 一般化線形モデルで2項分布を仮定した2群間比較 100 3.3. ポアソン回帰を用いた2群間の比較 104 3.4. 2×2の要因配置モデルに対する各種のデザイン行列 108 3.5. 2本の回帰直線に対する各種のデザイン行列 119 3.6. オフセットを含む対数リンクでの2本の2次曲線のあてはめ 125 4 デザイン行列を用いた回帰分析入門 135 4.1. Excelによるデザイン行列を用いた回帰分析 135 4.2. 偏差平方和ベースの回帰パラメータの推定 142 4.3. デザイン行列による回帰パラメータの推定 147 4.4. 偏差平方和ベースの回帰パラメータの分散の推定 150 4.5. デザイン行列を用いた回帰分析の実際 152 4.6. 逆推定値に対する各種の95%信頼区間の推定 163 4.7. JMPによる回帰分析と逆推定 170 5 反復重み付き最尤法によるポアソン回帰 175 5.1. 反復重み付きポアソン回帰 175 5.2. 重み付き回帰の基礎 177 5.3. 恒等リンクの場合のポアソン回帰 180 5.4. 対数リンクでのポアソン回帰 186 5.5. 対数リンクでオフセットがある場合のポアソン回帰 195 5.6. 二項分布を仮定した(プロビット・補2重対数・ロジット)解析 200 6. 過分散・ゼロ過剰への対処 207 6.1. 負の2項分布 207 6.2. ガンマ・ポアソン分布 213 6.3. 過分散の事例 218 6.4. ゼロ過剰ポアソン分布のあてはめ 221 6.5. ゼロ過剰ガンマ・ポアソン分布のあてはめ 225 6.6. ガンマ・ポアソン回帰 228 6.7. ゼロ過剰ガンマ・ポアソン回帰 233 7. 過分散がある場合の探索的ポアソン回帰 237 7.1. ネズミチフス菌のコロニー数の事例 237 7.2. カブトガニのサテライト数に対する探索的解析 243 7.3. 殺人被害者数に関するAICcを用いた分布の同定 258 8. 2本の回帰直線の比較 269 8.1. 共通の切片を持つ回帰直線の傾きの比較 269 8.2. 切片は異なるが共通の傾きをもつ2本の回帰直線 277 8.3. ポアソン回帰による勾配の比による効力比の推定 285 9. 花数を共変量とした種子数の探索的ポアソン回帰 293 9.1. データの概観 293 9.2. JMPのポアソン回帰による探索的解析 297 9.3. 無償版SASのGENMODプロシジャによる主効果モデル 304 9.4. 花数をオフセットとしたポアソン回帰 307 9.5. 花数をオフセットとした負の2項回帰の適用 310 10. オフセットを含む探索的ポアソン回帰 323 10.1. 貨物船の損傷数(5×4×2要因配置,対数リンク,オフセット) 323 10.2. 主効果モデルの適用 327 10.3. Excelによる(0,1)型ダミー変数での予測プロファイル 337 10.4. 交互作用の検討 347 10.5. 主効果モデルを活用した新たな交互作用の可視化の試み 346 10.6. Excelのソルバーによるオフセットを含むポアソン回帰 351 10.7. SAS のGENMOD プロシジャを使った解析 354 11. デビアンス・逸脱度・テコ比・4種の残差 359 11.1. デビアンス 359 11.2 通常の回帰分析におけるスチューデント化残差 361 11.3. ポアソン回帰におけるデビアンス・逸脱度 368 11.4. ポアソン回帰における4 種の残差 372 11.5. カブトガニの事例における4 種の残差 379 12. パラメータの共分散行列の活用 383 12.1. データの共分散行列・パラメータの共分散行列 383 12.2. アイリスデータの共分散行列および相関行列 386 12.3. 偏差平方和ベースの重回帰分析 390 12.4 デザイン行列ベースの重回帰分析 394 12.5. 2次曲線の95%信頼区間 401 12.6. 対数リンクでのポアソン回帰の95%信頼区間 410 12.7. オフセットを含むポアソン回帰の95%信頼区間 415 13. 最小2乗平均の謎を予測プロファイルで解く 421 13.1. 最小2乗平均(Lsmeans)とは 421 13.2. 交互作用を考慮した共分散分析 423 13.3. 共変量が2変量の場合の探索的な共分散分析 440 13.4. 繰返しが不揃いな2因子の共分散分析 449 13.5. ポアソン回帰における最小2乗平均(Lsmeans) 457 文献・索引 目次 461 文献 463 文献索引 467 索引 469 解析用ファイル一覧 487